小学校入学までにすませておきたい予防接種
これまでに受けそびれたワクチンはありませんか?
小学校への入学準備として、定期接種として定められているワクチンをすべて受けたかどうかこの時期にもう一度確認しておきましょう。小学校入学までにすませておきたいワクチン(任意接種を含む)の種類と接種回数は以下の表の通りです。母子手帳にある予防接種記録を見返して、接種したワクチンをチェックしてみてください。
ワクチンチェック表に空欄がある場合は小児科までご相談ください。
定期接種の対象期間を過ぎていても、接種しておいた方がよいワクチンもあります。

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小学校入学前に受ける予防接種は?
1)麻しん・風しん混合(MR)ワクチン(第2期)【 定期接種 】
第2期の定期接種の接種期間は5~7歳未満で小学校入学前の1年間(就学前年度4月1日~3月31日)です。2021年4月から小学校に入学するお子さんは、2021年3月31日までに麻しん・風しん混合(MR)ワクチンの接種を必ず受けてください。
2)おたふくかぜワクチン【 任意接種 】
おたふくかぜワクチンもMRワクチンと同様、計2回の接種が勧められています。品川区では1歳から小学校就学前年度末までに、おたふくかぜの予防接種を受ける場合に3000円を助成しています。2回目の接種も助成の対象です。MRワクチン(第2期)と合わせて接種することをお勧めします。
3)B型肝炎ワクチン【 任意接種 】
B型肝炎ワクチンの定期接種は、2016年4月1日以降に生まれたすべての乳児(1歳未満)に対して2016年10月から開始されました。しかしそれ以前に生まれたお子さんの多くは、残念ながらB型肝炎ウイルスに対する抗体を持っていません。急性B型肝炎やB型肝炎ウイルス関連慢性肝疾患に罹らないためにB型肝炎ワクチンを計3回接種しておくことをお勧めします。
4)三種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風)ワクチン(DPT)【 任意接種 】
乳幼児期に四種混合(DPT-IPV)ワクチンを計4回接種していても、小学校入学前までに百日咳抗体価は低下し、5〜15歳に百日せきを発症している児が多いことが最近の調査で明らかとなりました。そのため日本小児科学会は、小学校入学前に三種混合(DPT)ワクチンを追加接種することで百日咳の免疫を高めておくことを勧めています。
5)不活化ポリオワクチン(IPV)【 任意接種 】
海外では、0〜1歳でIPV を3〜4回接種後5〜6歳頃にポリオの抗体価が低下するため、4〜6歳でIPVの追加接種が行われています。日本のポリオに対する予防接種では、乳幼児期に四種混合(DPT-IPV)ワクチンで計4回接種して終わりです。そのため日本小児科学会は、小学校入学前にIPVを追加接種しポリオの免疫を高めておくことを勧めています。
注…四種混合ワクチン(DPT-IPV)は4回までの接種に限られ、5回目以降の接種は認められていないため、小学校入学前の百日咳、ポリオの追加接種は、三種混合ワクチン(DPT)と不活化ポリオワクチン(IPV)をそれぞれ用いることになっています。
新型コロナウイルスの影響で、お子さんの予防接種の機会を逃してしまう問題が生じています。
子どもの予防接種は決して「不要不急」ではありません。お早めに接種をおすませください。
2021年1月
小児科:齋藤義弘